立ち会い出産を控えたパパへ!分娩の進み方と心の準備を助産師が解説

パパのサポート

妊娠おめでとうございます!そして、ママと赤ちゃんの新しい家族の誕生を、一番近くで支えようと決心されたパパ、本当に心強いですね。
立ち会い分娩と聞くと、喜びや期待とともに、「いったい何が起きるんだろう?」「自分に何ができるんだろう?」といった不安や疑問を感じる方もいるかもしれません。

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パパが分娩の進み方を知っておくべき理由

分娩は、ママの体だけでなく、心にも大きな負担がかかります。その時、パパがそばにいてくれるだけで、ママは「一人じゃない」と心強く感じ、大きな安心感を得られます。
ママの最高のサポーターになるためには、分娩がどのように進むのか、その過程を事前に知っておくことがとても大切です。痛みや状況の変化に戸惑うことなく、冷静にママを支えられるようになります。

助産師<br>きいちゃん
助産師
きいちゃん

この記事では、現役助産師の私きいちゃんが、分娩がどんな流れで進んでいくのかを段階ごとに分かりやすく解説します。
分娩の各段階でママがどんな状態になるのか、パパがどんな気持ちでいるべきかを知ることで、本番で慌てることなく、ママをしっかりサポートするための心の準備ができます。

具体的なサポート方法(マッサージや声かけ、水分補給など)については、次の記事で詳しくお伝えするので、まずはこの記事で分娩全体の流れを把握していきましょう。

*ここでは産まれてくる赤ちゃんから見て、産婦さんを「ママ」、産婦さんのパートナーまたは夫を「パパ」と表記いたします。

分娩がどう進むのか知っていますか?

分娩中はずっと同じ時間が続くわけではありません。刻々とママの状態は変化し、状況に合わせて最適なサポートがあります。

パパが分娩に立ち会うとき、どのように分娩が進行していくか、その場の状況で何が今一番必要なのかを知っていることがとても大事になります。

陣痛が10分間隔になってから、本格的な痛みとなるまで(潜伏期)

お腹の張りが10分間隔となり、張っているときに顔をしかめてしまうほどに痛い状態が続くと「陣痛発来」となります。

お腹が張っていても痛みが我慢できるほどであったり、間隔がなかなか短くならない、遠のいてしまった、という場合には陣痛ではないと判断されることもあります。

本格的な痛みが出てくるまでは、しっかりと食事をとり、水分をとり、うとうとでも良いので眠るようにします。
これから来る痛みに対しての恐怖を強く感じる方も多いので、パパは「一緒に頑張ろう」「自分がついている」「何があっても大丈夫」と励ます言葉が大事になります。

この時期に分娩施設に連絡をし、実際に入院となります。ママが自分の体調に集中できるよう、パパが改めて入院バッグの中身を確認しましょう。妊娠後期に分娩準備を始める時期になったら、パパとママと二人で入院準備をすることで、直前にも忘れ物がないか確認するのが容易になるでしょう。

この時期のポイント
  • 本格的に痛くなる前こそ、体力温存と栄養補給をサポート
  • これから来る痛みへの恐怖をしっかりと受け止めて、励まして!
  • 入院準備品の最終チェック

本格的な痛みが来てから、子宮口全開まで(加速期、最大傾斜期)

本格的な痛みが出てくると分娩も急速に進行します。
分娩が進むにつれて、痛みが増していき、陣痛発作時には思わず叫んでしまう方もいます。
陣痛の間にも、痛みは余韻として強く残っているため、全身の力が抜けず体力消耗が激しくなってしまう時期でもあります。
子宮口が開くにつれて、痛みとともに「いきみたい!」という方も多いですが、全開になるまでは呼吸法で逃して我慢します。

ママは痛みの波と「いきみたい」という感覚に耐えることに集中するため、パパのサポートが特に重要になっていきます。

この段階では子宮口が全開になるまで頑張ります。私たち助産師も一緒に頑張りますが、パパが横でサポートしてくれている心強さは何物にも変え難いものとなります。

この時期のポイント
  • 痛みに耐えるためのマッサージ、呼吸法のリードを
  • 体力消耗が激しいからこそ、体力を維持するための食事・水分摂取、休めるための環境整備のサポートを!
  • パパ自身も気持ちをしっかりと持って、焦らずに寄り添って

子宮口が全開してから赤ちゃんが産まれるまで(分娩第2期)

いよいよクライマックスです!全開になるといよいよいきむことができます。

この時期のパパの役割は、ママのいきみを上手にサポートすることです。私たち助産師がいきみ方のポイントをお伝えしますので、しっかりと声を聞いてママを応援してあげてください。

この時期のポイント
  • 助産師の声を聞きながら、ママが上手にいきめるようにサポートを

赤ちゃんが産まれてから(分娩第3期、第4期)

赤ちゃんが産まれてホッと一息…となりますが、この時期にも注意点があります。

可愛い赤ちゃんの近くへ出来るだけ早く向かいたい!という気持ちは自然なものです。しかし、ここまで命をかけて頑張ったママに対して、最大限の「ありがとう」をしっかりと伝えてください。
この言葉がママの疲れを癒すことでしょう。

胎盤が出てくるのもこの時期です。胎盤が子宮から出た後に、出血が止まらず分娩室が慌ただしくなることもある時期となっています。私たち医療者に任せて、ママの心を支え続けてください。

赤ちゃんもお母さんも元気であることが確認できれば、分娩台の上で、ママが胸の上で赤ちゃんを抱いて過ごす「早期母子接触」の時間を過ごすことができます。産まれた赤ちゃんと、ご家族での初めての時間を大事に過ごしてください。
おふたりで赤ちゃんを抱っこしながら、ママの頑張りを褒めてあげましょう。

この時期のポイント
  • まずはママに最大限の「ありがとう!」
  • 万が一出血が多いなどの緊急事態になった場合には、医療者に任せて、ママの心を支え続けましょう
  • ご家族で過ごす初めての時間を、ゆっくり過ごしてくださいね

分娩時にパパが果たすべき一番大切な役割

いかがでしたか?分娩のプロセスを知ることで、分娩に対する漠然とした不安が解消され、最高のサポーターとしてママを支える自身が持てたのではないでしょうか。

分娩はママ一人が頑張るものではありません。隣にいるパパの存在こそが、ママにとって何よりも心強く、最高の安産のお守りになります。

この記事で分娩全体の流れを把握できたパパは、もう大丈夫です。この知識は、きっとママと赤ちゃんを笑顔にする大きな力になります。

何かわからないことや不安なことがあったときには、いつでも助産師に相談してくださいね!

看護大学卒業後、総合病院の産科病棟で看護師として経験を積み、助産師学校へ進学。現在は大学病院の周産期センターで多くの命の誕生に立ち会う助産師として勤務しながら、公衆衛生大学院への進学も視野に入れ、仕事も勉強にも全力投球しています!

ハイリスクな妊娠・出産などにも携わる中で、赤ちゃんが健やかに育つには、お母さんとご家族へのきめ細やかなサポートが不可欠だと痛感。さらに、妊娠前から全ての女性が心身ともに健康であることの重要性も強く感じています。女性とそのご家族の心と身体に寄り添い、赤ちゃんがその子らしい笑顔で育つ未来を支えられるよう、日々のケアを大事にしています。

このブログは、妊産婦さんとご家族、子育て中の全ての方の「知りたい」を解決するだけでなく、看護・助産学生さんの学習に役立つ情報を発信しています。現役助産師として、臨床のリアルな視点から、妊娠前からの健康、出産、育児の不安を解消し、明日から活かしていける情報をお届けします。

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