赤ちゃんの初めての爪切り!方法は?注意点は?

新生児

生まれたばかりの赤ちゃんを見て、「生まれたばかりなのに、もうこんなに爪が伸びているの?」とびっくりするママやパパが多いです。

産婦人科で働いていると1ヶ月に一度以上は、「切らなくて大丈夫ですか?」と聞かれます。

今回はそんな赤ちゃんの、初めての爪切りについて説明していきます。

爪が長いのはちゃんと育ってきた証拠

お腹の中で成長する過程で、爪が発生し始めるのは5ヶ月ごろからです。

その後も体の成長と共に徐々に爪も育っていきます。外の世界に出られるまで育った(成熟した)37週の頃には、爪が指先よりも出るほどになります。そのため、「爪が指先を越えて生えてる」というのは正常新生児の成熟指標とされています。

爪の切り方 初めてでも大丈夫!

良い徴候といえど、爪が長いことで赤ちゃんが自分のお顔を傷つけてしまうことも多いです。授乳のときにママのお胸に引っ掻き傷がいくつもできてしまい、痛いという方もいます。気になる場合には生後まもなくから切り始めても大丈夫です。

ただし、生まれた直後、数時間は、まだ羊水で爪がふやけた状態が続いています。この状態で切ってしまうと切りすぎてしまい、深爪のリスクがありますので、固まるまで待ちましょう。

爪切り前の準備

必要な物品は以下のとおりです。

  • 赤ちゃん用の爪切り
  • ベビー用プロペト
  • ティッシュ
  • おくるみ

赤ちゃん用爪切りは,小さなハサミ型や大人と同じような爪切りの形もあります。大人とおなじ爪切りタイプは一度でスパッと広範囲が切れますが,小さな赤ちゃんの爪を微調整しながら切るのは難しいかもしれません。少しずつ刃先で切ることができる,ハサミタイプの方がおすすめ

ティッシュは爪が落ちないように赤ちゃんの手の下に引いてあげます。プロペトはハサミの刃に塗って,爪が飛び散るのを防止する用ですので,普段使用しているもので構いません。

そして,意外と忘れがちなのが,切る人自身の準備です。赤ちゃんを傷つけてしまわないよう,事前に自分の爪も切って,切った断面をやすりで滑らかに整えておきましょう!

爪を切るとき流れ

  1. 赤ちゃんの手が自分の爪を切る時と同じ向きになるように,赤ちゃんの頭側に座る
  2. 爪切りの刃に薄くプロペトを塗り,赤ちゃんの手の下にティッシュを敷く
  3. 赤ちゃんの手を持ち,爪を切る指以外は自分の手のひらでしっかりとホールドする
  4. スクエアオフで切る
  5. 手についたプロペトをぬぐい,傷はついていないか,ちゃんと切れているかを確認する

1番安全に爪を切りやすいのは,赤ちゃんが寝ているときです。また,授乳に集中しているときも,動きが少ないため切りやすいタイミングになります。

スクエアオフの切り方

スクエアオフというのは大人も新生児の場合にも,推奨されている爪の切り方です。巻き爪になりにくい,爪の角が尖っていないため安全という利点があります。

横にまっすぐに切るときには,指先にギリギリ触れない程度の位置で,刃先をまっすぐにしてカットします。角は丸く切り落とし,当たったときに傷つかないようにしましょう。

爪切りの頻度

赤ちゃんは新陳代謝が大人よりも活発です。頻繁に細胞分裂を繰り返していますので,爪の伸びるスピードも早くなります。

手の場合には,3〜4日に一回爪の状態をみてあげて,伸びているようであれば切ってあげるようにしましょう。

足の爪はもう少し伸びるスピードが遅く,伸びている状態をみながら,1〜2週間に一回は切ってあげるようにしましょう。

もし失敗してしまったら?

慣れるまでは爪切りを失敗してしまうこともあるでしょう。深爪になってしまったり,傷ができてしまった場合には,焦らずに現状把握をしてください。

血が出ていない場合

血が出ていない場合には問題ありません。爪の伸びる原理と一緒で,赤ちゃんの皮膚は新陳代謝が活発ですので,すぐに傷も治ってしまうことが多いです。

血が出ている場合,止血方法

血が出ている場合には,何よりも先に止血をしてください。ティッシュやガーゼなどで傷の部分を覆い,上からしっかりと圧迫しましょう。爪切り用のハサミで大きな血管が切れてしまうことはほとんどありませんので,数分圧迫すれば止血できるでしょう。離した後にじわじわと血が滲んでこなければ止血成功です。

絆創膏は使わない

赤ちゃんは手を口に無意識に持っていってしまうため,絆創膏が指に貼ってあると誤飲する可能性もあります。また,手足をバタバタと活発に動かすため,外れやすく,場所によっては外れた絆創膏が擦れて他の場所の皮膚が傷ついてしまうことも考えられます。貼らずに様子を見てください。

困った場合は受診を

傷の範囲が大きかったり,止血がなかなかできない場合には受診しましょう。

また,直後は大丈夫そうに見えても時間の経過とともに,傷の周囲が赤くなってきた,腫れてきた,膿が出てきた,などの症状がある場合には,感染が起こっている可能性があります。すぐに受診しましょう。

赤ちゃん用の爪やすりは?

便利なグッズとして爪やすりも売られています。爪の表面を整えるのではなく,少しずつ断面を削って短くする,といった使い方をします。

新生児から使えるよう,やすりは皮膚に当たっても痛くないように設計されており,商品によっては月齢に合わせてアタッチメントを付け替えられるようになっているものもあるようです。

ハサミタイプに比べると,整えるまでの時間はやや長くかかるようですが,より安全に爪を切りたい,という方は検討してみても良いかもしれません。

まとめ

赤ちゃんの爪は本当に小さくて,注目して見ないとなかなか気づけないだろうと思います。「お顔が傷つかないかしら?」「痛くないかな?」と気になってしまうのは,その分,赤ちゃんに関心を向け,しっかりとみてあげている証拠です。初めての爪切りはドキドキしてしまうかもしれません。最初から全ての爪を切ろうとせず,一本ずつでも良いので,ゆっくりと取り組んでみてください。

【参考文献】

1.佐藤眞由美.NEW初めてのNICU看護“なぜ”からわかる、ずっと使える.メディカ出版,2022

2.看護roo!.動画でわかる看護技術 フットケア(足病変の観察〜爪切り).(閲覧日2025.03.28)

コメント

タイトルとURLをコピーしました